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黒塚(くろづか)(ver.1) | 福井利佐
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パックについて
素晴らしい切り絵作品で知られる福井利佐の「能」シリーズ。この作品は「黒塚」に登場する鬼女を般若の面を使いながら、安達ケ原の鬼婆伝説の物語の一場面を切り絵の手法で描いています。「黒塚」に登場する般若は、「道成寺」「葵上」とともに三鬼女と呼ばれ、女の恨みや執心を具象化していますが、恐ろしいながらも、ただのおどろおどろしい妖怪変化ではなく、どこか人間の悲哀を残した深みのある表情が印象的です。物語では、見てはいけない、と念を押されたのに、その約束を破って、人骨の山を見つけてしまい、修験者の祐慶一行は鬼婆の本性を知ることになるのですが、寂しい陸奥の国の山里(安達ケ原)であることから、土地の雰囲気と合わせて、恐ろしさが増します。老婆が急に変貌することで、怖さ・復讐の話だけではなく、悲しみ・無常も感じる演目です。福井利佐の作品では、その怖さだけではない無常の表現も見えてきます。演目では鬼女が糸車を回している場面が悲しい輪廻を表しているのが印象的で、手前の花は麻の花でその糸繰りの「糸」を表しています。宝生流二十世宗家「和の会」第9回目の演目作品です。2016年制作。 福井利佐 1975年静岡県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。精緻な観察による描写のきめ細やかさと大胆な構図で、観る者を圧倒させるような生命力のある線の世界を描き出す。中島美嘉のCDジャケットアートワーク、Reebokとのコラボレーションスニーカーやユニクロ「UT」への参加、直木賞作家の桐野夏生氏、木内昇氏の小説への挿画や装丁、NHK太宰治短編小説集「グッド・バイ」の映像制作、NHK 「猫のしっぽカエルの手」オープニングタイトル制作などがある。お能の宝生流家元主催の「和の会」メインビジュアル担当(2008~2018)。2019年は福音館書店月刊かがくのとも から絵本「むしたちのおとのせかい」を刊行。2022年「からまつ~ふじさんにもりをつくるき~」を刊行。その他、国内外の個展や合同展の参加、ワークショップなど多方面で活躍中。
リリース日:
2022/12/26
シリーズについて
国内外で活躍するアーティストの作品群です。
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黒塚(くろづか)(ver.1) | 福井利佐
発行数 : 3点